渋見村(読み)しぶみむら

日本歴史地名大系 「渋見村」の解説

渋見村
しぶみむら

[現在地名]津市渋見町

安濃あのう郡北部丘陵の東端近くの山裾で、観音寺かんのんじ村の西にある。「古事記」開化天皇段に天皇の第三皇子日子坐王の一一名の子の一人に「志夫美宿禰」の名がみえ、「佐々君之祖也」との注がつけられている。佐々氏については三重県内には知見がない。しかし志夫美宿禰の兄曙立王には「伊勢之佐那造之祖」と割注されていることと併せ考えると、佐々氏も伊勢のこの地に居住して、志夫美宿禰を祖先神として祀ったのであろう。そしてそれが都に伝えられて、神話の中へ組入れられたのではなかろうか。「延喜式」神名帳の安濃郡「志夫弥神社」はこの伝説と関連すると思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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