減感(読み)ゲンカン(その他表記)desensitization

デジタル大辞泉 「減感」の意味・読み・例文・類語

げん‐かん【減感】

写真現像で、感光材料減感剤で処理して感光膜感度を低下させること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「減感」の意味・わかりやすい解説

減感
げんかん
desensitization

写真感光材料の感光度低下現象。すべての色光に感光性をもつパンクロマチック・フィルムなどの操作に,暗室用安全光の使用は許されないが,減感現象を利用すれば,赤色安全光下で,肉眼で現像の進行を見ることができる。減感処理は,減感色素と呼ばれるピナクリプトール・グリーン,メチレン・ブルー,フェノサフラニンなどの水溶液に,感光材料を現像前に数分間浸して行う。減感色素がハロゲン化銀粒子に吸着し,既成潜像を破壊することなく,新しい光による潜像形成を妨害して減感が行われるものと推測されている。現在は,タンクによる時間現像が主で,肉眼で見る皿現像は少く,減感もほとんど行われない。また感光材料は一度高照度露光すると,低照度の光に対して減感作用がある。これをクライデン効果という。

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