潜像(読み)センゾウ

デジタル大辞泉 「潜像」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぞう〔‐ザウ〕【潜像】

感光したフィルム印画紙にできている目に見えない画像現像処理によって目に見える画像となる。

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精選版 日本国語大辞典 「潜像」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぞう‥ザウ【潜像】

  1. 〘 名詞 〙 感光したフィルムや乾板などにできている目に見えない像。光の強弱に応じて感光部分のハロゲン化銀に光学的変化の起こったもので、現像処理により、それを核として銀が析出し陰画となる。

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百科事典マイペディア 「潜像」の意味・わかりやすい解説

潜像【せんぞう】

写真感光材料露光を与えたとき,そのままでは見えないが現像することによって可視像となる映像。露光を受けたハロゲン化銀結晶粒子一部光化学反応によって銀が生成されるが,これが現像によって黒化するためには,銀原子は4個以上の集団(潜像核)として存在しなければならないとされる。この潜像核をもったハロゲン化銀結晶粒子の分布が潜像である。→感光
→関連項目現像写真光分解

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化学辞典 第2版 「潜像」の解説

潜像
センゾウ
latent image

写真などの記録材料中に,光,そのほかの信号エネルギーとの相互作用によって生じた,現像可能な不可視像.銀塩写真では,ハロゲン化銀粒子に形成された銀原子クラスター(潜像中心)よりなる.潜像中心の最小サイズは化学増感法によって異なるが,銀原子3~5個である.潜像中心には1個のハロゲン化銀粒子に1個あればよく,複数個あると潜像形成が非効率になる.潜像中心は深い電子捕獲準位をもっており,現像主薬による還元反応の速度を大きくして触媒的役割を果たす.電子写真では,潜像は表面に静電気の形で存在する(静電潜像)か,内部の電荷束縛状態または分極状態として存在する.これらは周囲に及ぼす電場を利用して現像する.このように現像では,一般に,人力信号以外のエネルギーによって潜像が増幅されて高い感度が実現される.[別用語参照]写真感光理論

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潜像」の意味・わかりやすい解説

潜像
せんぞう
latent image

写真フィルムや印画紙を露光すると,光の当った部分の乳剤中のハロゲン化銀粒子のなかに,銀原子が析出して目に見えないほど小さな銀の核ができると考えられている。このような感光した乳剤粒子を現像液で処理すると,銀の核の働きで,その粒子は初めて目に見えるほどの銀粒子になる。写真画像はこの銀粒子がたくさん集って黒く見えるわけであるが,露光した写真乳剤中にできている銀原子の核を潜像核といい,潜像核の集合によって形成される目に見えない像を潜像という。

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改訂新版 世界大百科事典 「潜像」の意味・わかりやすい解説

潜像 (せんぞう)

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世界大百科事典(旧版)内の潜像の言及

【感光】より

…この銀原子が4個以上集まると,写真フィルムを現像することによって画像をつくることが可能になる。このような臭化銀結晶中に光の作用によって生成した微量の銀原子の集団を潜像latent imageという。カメラで写真を撮影するとフィルムには潜像ができているのである。…

【現像】より

…撮影し,露光したフィルムや焼付け露光を終わった印画紙はそのままではまだ目に見える画像を作っていない。この状態ではフィルムや印画紙に潜像ができているので,潜像を化学的に還元する作用をもった現像液で処理することによって目に見える画像が現れる。この処理が現像である。…

※「潜像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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