ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渡邉恒雄」の意味・わかりやすい解説
渡邉恒雄
わたなべつねお
[没]2024.12.19. 東京
ジャーナリスト,実業家。「ナベツネ」と呼ばれ,長年読売新聞グループのトップやプロ野球の読売ジャイアンツ(巨人)のオーナーなどを務め,メディアやスポーツ界に強い影響力を及ぼしたほか,政界とも深いつながりをもち続けた。
東京府豊多摩郡杉並町(現在の東京都杉並区)に生まれ,早くに父を亡くす。旧制東京高等学校卒業後,1945年に東京帝国大学文学部に入学するが直後に陸軍に召集される。復学後,入隊経験から軍国主義や国家主義を嫌悪するようになり,日本共産党の党員となるも除名。1950年に東京大学新聞研究所を修了後,読売新聞社に入社。政治部記者として頭角を現し,ワシントン支局長,編集局次長兼政治部長などの要職をへて,1991年に社長に就任。2002年に読売新聞グループ本社社長となり,2004~16年に同会長を務め,2016年には代表取締役主筆に就任した。1999~2003年日本新聞協会会長。
大野伴睦,中曽根康弘をはじめとする有力政治家と強力な人脈を築き,戦後政治の中枢に深く関与し続けた。社長在任中の 1994年には『読売新聞』の発行部数を 1000万部超に押し上げた。また,1996~2004年に巨人の球団オーナー,2005~14年に球団会長,2014~16年に球団最高顧問を務め,球団人事や運営のみならず,球界全体にも意見を放ち続けた。大相撲では 1991年から 2005年まで横綱審議委員会の委員を務めた。
1996年フランス芸術文化勲章コマンドゥール受章。2007年カンヌ国際広告祭メディアパーソン・オブ・ザ・イヤー受賞。2008年旭日大綬章,2012年スペイン文民功労勲章大十字章受章。没後,正三位に叙される。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

