湛える(読み)タタエル

デジタル大辞泉 「湛える」の意味・読み・例文・類語

たた・える〔たたへる〕【×湛える】

[動ア下一][文]たた・ふ[ハ下二]
液体などをいっぱいに満たす。「池に水を―・える」「目に涙を―・える」
ある表情を浮かべる。感情を顔に表す。「満面に笑みを―・える」「愁いを―・える」
[補説]室町時代以降はヤ行にも活用した。
[類語]張る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「湛える」の意味・読み・例文・類語

たた・えるたたへる【湛】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]たた・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 水などをいっぱいに満たす。あふれるばかりにする。
    1. [初出の実例]「月日経るままに、ただ涙の海をたたへてゐたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. ある表情や趣をいっぱいに浮かべる。
    1. [初出の実例]「例の黒い顔に笑(ゑみ)を湛へて嬉し気に通り過ぎる」(出典趣味遺伝(1906)〈夏目漱石〉一)

湛えるの補助注記

室町時代頃からヤ行にも活用した。→たたゆ(湛)

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