湯尾峠
ゆのおとうげ
湯尾から今庄へ通ずる北陸街道の峠で、三ヶ所山(二二四メートル)と八ヶ所山(三四〇メートル)との鞍部にあり、比高八〇メートル。「源平盛衰記」巻二八(源氏追討使事)に、平家軍の進攻を迎える木曾義仲方の軍勢が、「陣をば柚尾の峠にとり、城をば燧に構たり」とみえる。「太平記」巻一八(瓜生挙旗事)には延元元年(一三三六)挙兵した杣山城(跡地は現南条町)の瓜生氏が鯖波宿(現南条町)と湯尾峠に関を設けて北国路をふさいだことが記され、「朝倉始末記」には、天正二年(一五七四)府中城主富田氏と戦う一向一揆勢二万余騎が「今庄湯尾峠ニ支ヘタリ」とみえ、古くより交通・軍事上の要地であった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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