湯桶読(読み)ゆとうよみ

精選版 日本国語大辞典 「湯桶読」の意味・読み・例文・類語

ゆとう‐よみ【湯桶読】

〘名〙 (「ゆ」は「湯」を訓読みしたもの、「とう」は「桶」を音読みしたものであるところから) 上の字を訓で、下の字を音で読むこと。また、その読み方。「手本」を「てほん」、「身分」を「みぶん」、「野宿」を「のじゅく」と読む類。「重箱読み」に対していう。また、広く、一語の漢字熟語を音訓まぜて読むことにもいう。
※書言字考節用集(1717)九「湯桶読 ユタウヨミ」
[語誌](1)「書言字考節用集」が初出とされるが、それに先行して、「文明本節用集」(室町中)には「湯桶文章」、「かた言‐五」(一六五〇)には「湯桶言葉」といった表現が見られる。
(2)元来は音訓の順番を問わず混読語の総称として用いられていた。明治時代でも大槻文彦の「言海」(一八八九)では「重箱読み」との区別がされていないが、山田美妙の「日本大辞書」(一八九二‐九三)では区別している。使い分けが定着したのは、第二次大戦後か。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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