精選版 日本国語大辞典 「満てる」の意味・読み・例文・類語
み・てる【満・充】
- 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]み・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙 ( 四段の自動詞「みつ」に対応する他動詞形で、「みたす」に先行する形 ) - ① あふれそうになるまで入れる。いっぱいにする。
- [初出の実例]「玉敷かず君が悔いていふ堀江には玉敷き美弖(ミテ)てつぎてかよはむ」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇五七)
- ② 不足にあてる。充当する。
- [初出の実例]「遂に〈略〉官税に充(ミテ)ざることを感ず」(出典:守護国界主陀羅尼経平安中期点(1000頃)一〇)
- ③ ぜんぶ達成する。すっかり果たす。また、終える。終了する。
- [初出の実例]「われこの滝に三七日うたれて慈救の三洛叉をみてうどおもふ大願あり」(出典:平家物語(13C前)五)
- ④ ( 「期日をみてる」意から ) 一定の期間を経る。時期に達する。
- [初出の実例]「是の短き寿を得て百年にだも満(ミテ)ぬ」(出典:東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)三)
- ⑤ 願いをかなえる。満足させる。
- [初出の実例]「善説は能く諸の希望を満(みツ)」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
- 「衆生の所願をみて給へり」(出典:平家物語(13C前)二)