期日(読み)キジツ

デジタル大辞泉 「期日」の意味・読み・例文・類語

き‐じつ【期日】

あることを行うと、前もって特定されている日。「会議期日を決める」「公判期日
その日までと前もって定められている日。期限の切れる日。日限。「期日までには必ず返す」
[類語](1日付日時デート日にち日取り時日じじつ年月日/(2期限締め切り時限日限年限門限無期限タイムリミットデッドライン

ご‐じつ【期日】

予定している日。期限となっている日。約束の日。きじつ
「―わづかに過ぎければ、法を犯すとがありとて」〈太平記・三九〉

き‐にち【期日】

きじつ(期日)

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精選版 日本国語大辞典 「期日」の意味・読み・例文・類語

き‐じつ【期日】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある行為をその時にするよう前もって定められた特定の日時。
    1. [初出の実例]「今度勘文遅成上、既及期日」(出典:建内記‐永享一三年(1441)二月一六日)
    2. 「何卒(どうぞ)早く其の期日(キジツ)となりて」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上)
    3. [その他の文献]〔礼記‐曾子問〕
  3. その日時までには、ある行為を完了しているようあらかじめ定められた日時。期限の日。日限。
    1. [初出の実例]「祿料織物褂一重、期日以前、無懈怠調進由」(出典:勘仲記‐弘安元年(1278)一一月六日)
    2. 「若し期日の約束なしの仕事としてかかってゐたら」(出典:和解(1917)〈志賀直哉〉九)

ご‐じつ【期日】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ご」は「期」の慣用音 ) 予定していた日。約束の日。きじつ。
    1. [初出の実例]「つひに期(ゴ)日になりて弟子どもいみじく囲繞して念仏して火屋に火をさす」(出典:発心集(1216頃か)八)

き‐にち【期日】

  1. 〘 名詞 〙きじつ(期日)
    1. [初出の実例]「兼て期日(キニチ)を定め〈略〉本邸に赴きたるなり」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下)

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改訂新版 世界大百科事典 「期日」の意味・わかりやすい解説

期日 (きじつ)

日常語としては,前もって特に定めた日をさすが,訴訟法では,特別の意味をもつ。裁判所,当事者その他の関係人が,一定の場所(原則として裁判所の建物内)に会合して,訴訟行為を行う日時をいう。期日(とりわけ口頭弁論期日公判期日)は,裁判所の面前において訴訟行為をし合い対論を行う機会を当事者に与える場を設定するものであって,当事者の主体的参加を通じて判決の内容を決定しようとする裁判理念がその背後にある。

(1)民事訴訟法では,重要な訴訟行為は期日において行う。その目的事項に応じて,口頭弁論期日,証拠調期日,判決言渡期日,準備手続期日,和解期日などとよぶ。適時に期日が開かれることは,迅速かつ適正な審理のために不可欠なので,期日の指定は,裁判長または期日を主宰する裁判官が職権で行う。弁論の集中という理想にかんがみ,期日と期日の間隔は短くしなければならない。期日は〈事件の呼上げ〉(事件を特定して開始を宣告すること)によって開始される(民事訴訟規則62条)。指定された期日がみだりに変更されては効率的な審理ができないので,期日の変更には厳しい段階的規制がある。第1回の準備手続期日や準備手続を経ない第1回口頭弁論期日は,当事者の合意があれば無条件に変更できる(民事訴訟法93条3項)が,続行期日の変更は顕著な事由がある場合にだけ許され,準備手続を経た口頭弁論期日の変更はやむをえない事由がなければならない(93条4項)。期日にはその目的からして関係人を呼び出さなければならない。呼出し状送達,または出頭した者に対する期日の告知によるのが原則である。しかし,続行期日の場合(および簡易裁判所の場合)は相当と認める方法(通常郵便,電話など)による呼出しも許される。この場合には,期日の不遵守による不利益も課することはできない(94条2項)。

(2)刑事訴訟法上でも,その意義はほぼ同様である。公判期日をさすことが多い。公判期日には,被告人を召喚し,またその期日は検察官弁護人等にあらかじめ通知する(刑事訴訟法273条)。公判期日の変更は当事者の意見を聞いて職権または請求により行う(276条。なお277条参照)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「期日」の意味・わかりやすい解説

期日
きじつ

一般には一定の日時をさす(たとえば民法398条の6第1項、手形法34条第2項)が、訴訟法上は裁判所、当事者その他の関係人が一定の場所に会合して訴訟行為をしあうための時間を意味する。民事訴訟における期日としては、口頭弁論期日、弁論準備手続期日、証拠調べ期日、判決言渡し期日、和解期日などが、刑事訴訟では公判期日などがある。

[本間義信]

民事訴訟における期日

民事訴訟における期日は、申立てまたは職権により裁判長またはその事件を担当する単独裁判官があらかじめ指定するが(民事訴訟法93条)、その際、場所、年月日、開始時を明示しなければならない。期日の呼出しは、裁判所書記官が呼出状を作成して当事者その他の関係人に送達し、当該事件について裁判所へ出頭している者に対しては告知またはその他相当と認める方法によって行う(同法94条)。期日は事件の呼上げにより開始される。なお、一度指定された期日は、顕著な事由がある場合に限り(最初の期日は当事者の合意がある場合にも)変更が許される(同法93条3項)。期日を開いても予定の事項をすることができずに期日を閉じた場合には期日の延期、その日に予定した事項が完了しなかった場合には期日の続行が行われる。

[本間義信]

刑事訴訟における期日

刑事訴訟では、公判期日の指定、変更、召喚状の送達などにつき、被告人などの訴訟準備を保障するため、とくに規定が置かれている(刑事訴訟法273条以下、刑事訴訟規則178条の4など)。

[本間義信]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「期日」の意味・わかりやすい解説

期日
きじつ
Termin

訴訟法上,裁判所,当事者その他の訴訟関係人が法廷または一定の場所に相合して訴訟行為をするために,あらかじめ指定された時間をいう。
(1) 民事訴訟法上,訴訟行為の事項によって,口頭弁論期日,準備手続期日,証拠調べ期日,和解期日,判決言い渡し期日などに分けられる。期日は,裁判長または受命裁判官が申し立てまたは職権で,場所,年月日,開始時を示して指定する。期日の変更の要件は厳重に定められている。期日の呼び出しは呼出状を送達してされるのが原則である。

(2) 刑事訴訟法上も同義。たとえば公判期日,勾留理由の開示期日,証人尋問期日など。期日は指定された日時の到来によって開始され,その期日においてなすべき訴訟行為をやめた時点で終了する。期日に出頭すべき義務のある者に対しては,召喚状の送達またはそれに代わる方法で期日を通知し,期日に立ち会う権利を有する者に対して通知の方法で告知しなければならない。

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普及版 字通 「期日」の読み・字形・画数・意味

【期日】きじつ

定めた日。

字通「期」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の期日の言及

【期間】より

…法律上,〈期間の経過〉に一定の法律効果が与えられることが多い(時効,借地権の存続期間,控訴・上告期間など)。期間と区別すべきものに〈期日〉がある。期日も,一瞬ではなく,一定の時間的長さをもっているが,経過する時間の長さに焦点をおく観念ではなく,ある時点(期日)において法律上意義のある一定の行為またはできごとが行われるべきであるという点に焦点をおく概念である(弁済期日,口頭弁論期日,投票日など)。…

※「期日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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