朝日日本歴史人物事典 「源多」の解説
源多
生年:天長8(831)
平安前期の公卿。正二位。仁明天皇皇子で母は不詳。承和2(835)年源朝臣の姓を賜って臣籍に下った賜姓源氏。嘉祥3(850)年3月19日に仁明天皇が出家したおり阿波守であった多もこれに従った(『続日本後紀』)。しかし,この出家は一時的なもので間もなく還俗し,斉衡1(854)年参議になり,元慶6(882)年右大臣に昇進した。右大臣にあること6年,死後,従一位を贈られた。死の直前の顔は土色で,血を吐き気絶したまま没したという。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報