源頼実(読み)みなもとのよりざね

朝日日本歴史人物事典 「源頼実」の解説

源頼実

没年:寛徳1.6.7(1044.7.4)
生年:長和4(1015)
平安中期の武官歌人。頼国と播磨守藤原信理の娘の子。従五位下,左衛門尉。一時,罪を得て土佐国(高知県)に流されたことがある。若くして歌人としての才能を現し,長元8(1035)年,関白藤原頼通邸で催された「賀陽院水閣歌合」に蔵人所雑色で参加したのをはじめ多くの歌会に出席。歌道に熱心で,住吉社(大阪市の住吉大社)に参詣して1首の秀歌を詠むことができたなら命を召されてもよいと祈っているほどだ。その歌が『後拾遺和歌集』に採られた「木葉散る宿は聞きわくことそなき時雨ちる夜も時雨せぬ夜も」である。藤原範永・経衡,平棟仲,源兼長・頼家と並ぶ和歌六人党のひとりである。

(朧谷寿)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「源頼実」の解説

源頼実 みなもとの-よりざね

1015-1044 平安時代中期の官吏,歌人。
長和4年生まれ。源頼光の孫。源頼国の子。従五位下,左衛門尉。和歌六人党のひとり。わが身と秀歌1首をかえたいと住吉社に祈願し,「木の葉散る宿は聞きわくことぞなき時雨(しぐれ)する夜も時雨せぬ夜も」の1首をえたという。長久5年6月7日死去。30歳。家集に「故侍中左金吾(こじちゅうさきんご)家集」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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