時雨(読み)ジウ

デジタル大辞泉の解説

じ‐う【時雨】

ちょうどよいときに降る雨。
しぐれ

しぐれ【時雨】

秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。 冬》「天地(あめつち)の間にほろと―かな/虚子
時雨煮」の略。
涙ぐむこと。涙を落とすこと。また、その涙。
「十月にもなりぬれば、中宮の御袖の―もながめがちにて過ぐさせ給ふ」〈栄花・岩蔭〉

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とっさの日本語便利帳の解説

時雨

晩秋から初冬にかけて晴れや曇りを繰り返す空模様の時、降ってはすぐ止むような雨。通り雨。京都の北山しぐれが有名。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

しぐれ【時雨】

沖縄の泡盛。酒名は、さっと通り過ぎる時雨のように飲み心地が爽やかな酒になるようにという願いを込めて命名。「古風味豊かな」味わいの一般酒。原料はタイ米黒麹。アルコール度数25%、30%、43%。蔵元の「識名酒造」は大正7年(1918)創業。戦禍を免れた150年ものの沖縄最古の古酒を所有する蔵としても有名。所在地は那覇市首里赤田町。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

大辞林 第三版の解説

じう【時雨】

ちょうどよい時に降る雨。
しぐれ。
[句項目] 時雨の化

しぐれ【時雨】

初冬の頃、一時、風が強まり、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。冬の季節風が吹き始めたときの、寒冷前線がもたらす驟雨しゆうう。村時雨・小夜さよ時雨・夕時雨・涙の時雨などの言い方がある。 「 -が通り過ぎる」 「 -する稲葉の山のもみぢばは/沙石 5[季] 冬。 《 いそがしや沖の-の真帆片帆 /去来 》
「時雨煮」の略。
涙を落として泣くさまにたとえていう。 「野山の気色、まして、袖の-をもよほしがちに/源氏 椎本

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

時雨
しぐれ

晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨をいう。『和名抄(わみょうしょう)』では、「雨」を「之久礼」と訓(よ)んでいる。『万葉集』には40例近くみえ、巻8や巻10では秋雑歌(ぞうか)に位置づけされており、「九月(ながつき)のしぐれの雨に濡(ぬ)れ通り春日(かすが)の山は色づきにけり」(巻10)など、秋に重点を置きながら、紅葉(万葉では黄葉)を染めたり散らしたりするものと考えられていた。「時雨」という用字はまだなく、平安時代に入ってからのものらしい。『古今集』の用例は12例、季節意識としては『万葉集』と同様だが、「我が袖(そで)にまだき時雨の降りぬるは君が心にあきや来(き)ぬらむ」(恋5)のように涙の比喩(ひゆ)として詠まれたりするようになり、物語や日記などにもわびしさや悲しみを暗示する景物として用いられている。平安中期になると季節意識に変化があり、『後撰集(ごせんしゅう)』の「神無月(かみなづき)降りみ降らずみ定めなき時雨ぞ冬のはじめなりける」(冬)などにみられるように冬の景物として固定し、時雨の多い京都の風土とも相まって王朝文学に頻出し、以後も継承された。俳諧(はいかい)の季題も冬。[小町谷照彦]

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