滅する(読み)メッスル

デジタル大辞泉 「滅する」の意味・読み・例文・類語

めっ・する【滅する】

[動サ変][文]めっ・す[サ変]
ほろびる。なくなる。消える。「形あるものは必ず―・する」
ほろぼす。なくす。消す。「私心を―・する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「滅する」の意味・読み・例文・類語

めっ‐・する【滅】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]めっ・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. ほろびる。また、死ぬ。
      1. [初出の実例]「かの霊性は、この身の滅するとき、もぬけてかしこにうまるるゆゑに」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
      2. 「世のすでにめっするにやとおぼえしとこそ人はかたりつれ」(出典:増補本増鏡(1368‐76頃)二〇)
    2. 消える。消えてなくなる。
      1. [初出の実例]「今、其の火既に滅して」(出典:今昔物語集(1120頃か)一五)
      2. 「大夫阿闍梨実印と云僧の無始の罪障、悉(ことごとく)(メッ)するなりと」(出典:発心集(1216頃か)七)
    3. こわれる。
      1. [初出の実例]「千丈の堤も蟻穴よりもれる水に滅(メッ)するごとく」(出典:浮世草子日本永代蔵(1688)三)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]めっ・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. ほろぼす。つぶす。
      1. [初出の実例]「我れ、今、身に皇帝と成て、仏法を滅して、極て大苦を受く」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)
    2. 消す。なくす。
      1. [初出の実例]「其に依て此の度其の罪を滅しつる也」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
      2. 「風吹き来りて燈火を滅しければ」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉四)

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