漢魏叢書 (かんぎそうしょ)
Hàn Wèi cóng shū
中国,漢・魏・六朝時代の著作を集録したもの。明の程栄が編纂し38種を収める。叢書というのは,一度世に出た単行の書を集め総名を冠して再出版したもので,書舗による営利出版の性格が強い。本書が好評を博したので,明の何允中による76種本《広漢魏叢書》,清の王謨の94種本《増訂漢魏叢書》など約8種類の漢魏叢書が続々と出版されたが,テキストとしての価値は程栄のものに劣る。なお叢書という名が出版物の一形式を示すものとして広まったのは本書に始まる。
執筆者:勝村 哲也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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漢魏叢書
かんぎそうしょ
Han-wei cong-shu
中国,明代に編纂された叢書。程栄の編。万暦 18 (1590) 年頃成立。漢,魏,六朝時代の書 38種を経,史,子の3部に分けて収めたもの。少し遅れて万暦末年頃,何允中が 76種にふやして『広漢魏叢書』をつくり,さらに乾隆 56 (1791) 年,清の王謨 (おうぼ) が 86種を収めた『増訂漢魏叢書』を編集した。のち版を重ねるごとに増補され,94種本,96種本などが刊行されている。現在ではこれらすべてを『漢魏叢書』と呼ぶことが多い。六朝以前の書を見るのに便利な叢書で,種類はのちになるほど多くなるが,校訂は程栄のものが最もすぐれている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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