濹東(読み)ボクトウ

デジタル大辞泉 「濹東」の意味・読み・例文・類語

ぼく‐とう【濹東/墨東】

東京都墨田区一帯隅田川中流の東岸地域。

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精選版 日本国語大辞典 「濹東」の意味・読み・例文・類語

ぼく‐とう【&JISEC58;東・墨東】

  1. 広く東京都区部の隅田川以東の地域をいう。一般には墨田江東の二区をさす。

濹東の語誌

( 1 )隅田川は「墨田川」とも書かれたところから、江戸時代には中国風の「墨水」という雅称が使われていた。この「墨」に「川」を表わす「さんずい」を加えて「濹」としたのは、江戸時代後期の儒官林述斎である。
( 2 )その後、「濹上隠士」の号をもつ成島柳北が、「柳橋新誌」のほか、「濹」「濹堤」〔墨水烟火記〕などの語を使っている。さらに、永井荷風が「すみだ川」「濹東綺譚」などの作品にこれらの語を多用し、「濹」という字が定着したが、現在では、「墨東」「墨堤」という表記に戻りつつある。

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