火箭(読み)かせん

精選版 日本国語大辞典 「火箭」の意味・読み・例文・類語

か‐せん クヮ‥【火箭】

〘名〙 (「箭」は矢のこと) 火をつけて射る矢。火矢。敵の物資建物、船などを焼いたり、味方との信号に用いる。〔南斉書‐崔慧景伝〕

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デジタル大辞泉 「火箭」の意味・読み・例文・類語

か‐せん〔クワ‐〕【火×箭】

昔の戦いで火をつけて射た矢。敵の施設や物資に火をつける目的で用いたもの。火矢ひや
艦船が信号に用いる火具

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世界大百科事典(旧版)内の火箭の言及

【火薬】より

…このときに反乱軍を攻めた宋軍がかえって宗州城に包囲されたが,このときに李希烈の軍が〈方士策〉なるものを飛ばして城上の防御物を焼いた。この〈方土策〉が何であったかの明記はないが,後世の〈火箭〉のような火薬を仕込んだ火器でなかったかと想像される。五代を経て宋代になると,火薬を装てんした火器が多数考案された。…

【武器】より

…なお,唐までは銅製の兵器が鉄製にまじって存在したが,唐を最後に実用の銅製武器はまったくなくなった。
[弩から火箭へ]
 宋代になると,短兵としては刀と剣とが重んぜられたが,前代に比べて簡単なつくりになった。今一つ宋代で盛んに使われた短兵は鉄製の棒で,棒の端にいろいろ殺傷のためのくふうをこらしており,白兵戦の混乱の中で使用されたものであろう。…

【ロケット】より


【歴史】
 南宋時代に書かれた《武経総要》という書物に,黒色火薬の組成と〈火薬鞭箭〉なるものの図と説明が記載されており,これをロケットの原形とする説もあるが,爆竹とみるほうが正しいようである。下って明末に著された《武備志》に見られる火箭は,より意図的に反動推進の目的に火薬を用いたものと考えられる。このような火箭の実用は,おそくとも12世紀の初めで,北宋末に金の攻撃を受けた北宋が火箭をもって防御したとの記録がある。…

※「火箭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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