烏蒭沙摩明王(読み)うすさまみょうおう

世界大百科事典 第2版の解説

うすさまみょうおう【烏蒭沙摩明王】

サンスクリットUcchuṣmaの音訳語で,インドでは元来火の神アグニを指した。烏枢瑟摩とも書き,不浄潔金剛,火頭金剛,穢積(迹)金剛,不壌金剛,受触金剛ともいう。いっさいの不浄や悪を焼きつくす霊験のある明王として,死体や婦人の出産所,動物の血の汚れを祓う尊としての信仰が主流で,真言宗や禅宗では東司(とうす)すなわち便所の守護神としてまつられている場合が多い。また密教では烏蒭沙摩変成男子(へんじようなんし)の法と称し,出産前に胎内の女児が変じて男子となる秘法として貴族社会に信仰された。

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世界大百科事典内の烏蒭沙摩明王の言及

【五大明王】より

不動明王を中心とした降三世(ごうざんぜ)明王軍荼利(ぐんだり)明王大威徳明王金剛夜叉明王の総称で,五大尊とも言う。ただし,台密(天台宗の密教)においては金剛夜叉明王の代りに烏枢沙(瑟)摩(うすさま)明王が加わる。唐代の不空のころに,金剛界五仏(上記明王に対応して,大日,阿閦(あしゆく),宝生,無量寿,不空成就)の教令輪身(きようりようりんしん)(忿怒身)として五尊にまとめられた密教像である。中国の例は,唐代に造られた五大明王鈴(東京国立博物館)しか知られていないが,日本では,宮中真言院における後七日御修法の本尊としての画像,あるいは平安時代に盛んであった五壇法の本尊として造像された。…

【金剛夜叉明王】より

五大明王の一尊で,北方不空成就如来の教令輪身(きようりようりんしん)(忿怒身)とされる。烏蒭沙(瑟)摩(うすさま)明王と同体と考える説もある。身色は青黒色で三面六臂(ぴ)あり,片足を挙げて立つ。…

※「烏蒭沙摩明王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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