普及版 字通 「焉(漢字)」の読み・字形・画数・意味
焉
11画
[字訓] いずくんぞ・ここに
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 象形
〔説文〕四上に「焉鳥なり。色。江淮に出づ」とするが、〔段注〕に「今未だ何の鳥なるかを審らかにせず」とあり、実体が知られない。烏・於が死烏やその羽の象形であることからいえば、焉も呪的に用いる鳥の象形で、そのゆえに疑問詞にも用いるのであろう。
[訓義]
1. とりのな。
2. この鳥の羽を掲げて、卜い問うことに用いたらしく、「いずくんぞ」「いずこ」のように疑問詞とする。
3. ここに。また終助詞に用いる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕焉烏 カラス・クロシ・イヅクソ/焉頭 クハユキ/焉 コレ・ココニ・キハム・イカンソ・イヅクンソ・ナソ
[声系]
〔説文〕に焉声として・・嫣など五字を収める。は草木の枯れた色をいう字である。
[語系]
焉ian、安an、烏・惡(悪)a、於ia、于hiuaは声が近く通用する。烏・於は死烏の象、またその羽を呪的に用いる意。焉もその系統の字であろう。
[熟語]
焉烏▶・焉耆▶・焉支▶・焉▶
[下接語]
烏焉・鬱焉・介焉・赫焉・奐焉・渙焉・煥焉・闕焉・慊焉・皎焉・溘焉・忽焉・潸焉・終焉・少焉・焉・泊焉・炳焉・俛焉・焉・悖焉・悠焉・爛焉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報