精選版 日本国語大辞典 「焙烙焼」の意味・読み・例文・類語
ほうろく‐やきハウロク‥【焙烙焼】
- 〘 名詞 〙 =ほうろくむし(焙烙蒸)
- [初出の実例]「でんぼやき、鋤焼、ほうろく焼を好み」(出典:浮世草子・世間仲人気質(1776)五)
…そのため,物炒り(ものいり)を物入りにかけて,出費の続くことを〈焙烙の行列〉というしゃれがある。ほうろく焼きは江戸時代から行われていた料理で,《料理談合集》(1822)には〈ほうろくへしほをもり,魚は何にてもしほの上へならへ,又,ほうろくをふたにして,上下に火を置てやく〉と見えるが,現在ではふつうオーブンで焼き,ポンスしょうゆで食べている。小型のほうろくは伝法(でんぼ∥でんぼう)と呼び,これを用いて焼く場合は〈でんぼ焼き〉といった。…
…沸騰したところで火からおろし,スダチかダイダイの汁をしぼり込んで食べる。ほうろく焼きは,ほうろくに塩を敷いてオーブンで焼き固め,好みの材料とマツタケを置き,松葉を散らしてオーブンで焼き,ポンスしょうゆで食べる。【鈴木 晋一】。…
…直火焼きは焼網にのせるか串を打って直接火にあてるもので,塩をふってそのまま焼く塩焼きのほか,たれや練りみそをつけて焼く蒲焼,照焼き,鬼がら焼き,田楽,焼鳥,焼肉その他があり,材料をあらかじめ調味材につけておいたのち焼くみそ漬,かす漬のようなものもある。間接焼きはなべ,鉄板,天火などを使って間接的に焼くもので,昔は材料を紙などに包んでいろりの灰に埋めたり,ほうろくに入れて火にかけ,ふたの上にも火を置いて蒸焼きにするほうろく焼き(ほうろく)のような手法が用いられたが,今は天火を用いることが多い。【鈴木 晋一】。…
※「焙烙焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」