無乳房症、無乳頭症(読み)むにゅうぼうしょう、むにゅうとうしょう(その他表記)Amastia, Athelia

六訂版 家庭医学大全科 「無乳房症、無乳頭症」の解説

無乳房症、無乳頭症
むにゅうぼうしょう、むにゅうとうしょう
Amastia, Athelia
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 先天性の奇形で乳房あるいは乳頭が欠損するものをいいます。無乳房症は極めてまれですが、乳頭・乳輪の形成不全はしばしば認められます。まったく乳頭が欠損する無乳頭症はまれです。

原因は何か

 胎児期乳腺形成されない先天性の原因が最も多いようです。半陰陽(はんいんよう)と合併することもあります。経口避妊薬などのホルモン薬との因果関係は証明されていません。

症状の現れ方

 出生児に乳頭・乳輪いずれも欠損していればすぐに無乳房症が疑われます。乳頭は思春期以後発達するので、無乳頭症と診断されるのは10代半ば以降です。

検査と診断

 視触診でおおよその診断は可能ですが、超音波、乳房X線撮影でまったく乳腺が認められなければ確実に診断されます。

治療の方法

 無乳房症であれば人工乳腺を用いた乳房形成手術、無乳頭症ならば乳頭のみの形成を行います。

病気に気づいたらどうする

 これらの疾患は治療の時期がたいへん難しい病気です。思春期前後の患者さんは異常を意識して精神的なストレスが大きくなりますが、できれば女性としての体が完成する20歳前後に形成手術を行うべきです。

関連項目

 半陰陽

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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