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半陰陽 はんいんようhermaphroditism

翻訳|hermaphroditism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

半陰陽
はんいんよう
hermaphroditism

外陰部を見ても性別の判定が困難という先天異常の総称。学問的定義では,性腺の種類 (精巣卵巣か) と外陰部または内性器の発達が食違うものをいう。きわめてまれなので分類法は確立していないが,性腺の種類を基準とした次の分類が一般的である。 (1) 真性半陰陽 同一人が精巣と卵巣をもっているもの。外陰部はどちらかといえば女性型。 (2) 混合型性腺異発生症 一方が精巣,他方は精巣とも卵巣ともつかぬ未分化のもの。外陰部は判別困難。 (3) 男性半陰陽 性腺は精巣だが,内外性器が異常。睾丸性女性化症や,腟をもつ尿道下裂がこれに属する。 (4) 女性半陰陽 性腺は卵巣。内性器も女性型。外陰部のみがまぎらわしい。副腎性器症候群がこれに属する。

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デジタル大辞泉の解説

はん‐いんよう〔‐インヤウ〕【半陰陽】

染色体性腺性器などが男性型・女性型のどちらか一方に統一されていないか、またはあいまいな状態で、男女の判定が難しい状態。ふたなり。→性分化疾患

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百科事典マイペディアの解説

半陰陽【はんいんよう】

性に関する奇形のうち,完全な雌雄(男女)の中間の特徴をもつもの。間性と同義であるが,ヒトをはじめ高等動物では半陰陽(俗称ふたなり)ということが多い。真性半陰陽は精巣卵巣をともに有するもので,きわめてまれな奇形。
→関連項目性転換

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家庭医学館の解説

はんいんよう【半陰陽】

 外生殖器の外見が男とも女ともつかず、両方の性の特徴を合わせもっている異常です。男と女の2つの形を具(そな)えているので、ふたなりとも呼ばれます。
 半陰陽には、男女両方の性腺(せいせん)(卵巣(らんそう)と精巣(せいそう))をもつ真性半陰陽(しんせいはんいんよう)、性腺は精巣なのに腟(ちつ)があったり、陰茎(いんけい)などの性器が女性化している男性仮性半陰陽(だんせいかせいはんいんよう)、性腺は卵巣なのに外生殖器が男性化している女性仮性半陰陽(じょせいかせいはんいんよう)の3種類があります。
 一般に、治療はかなりむずかしいものです。できるだけ早く男か女かを正しく診断し、それに基づいた治療計画をたてることがたいせつです。
 そのためには、経験豊かな医療機関を受診して、診断してもらうようにしましょう。
 性の決定は、遺伝的な性に合わせるのが望ましいのですが、性器の形などから、どうしてもむりなことがあります。
 この場合は、やむをえず遺伝的性と反対の性を選ぶことになります。
 診断された性が、戸籍の性と反する場合、性の変更をすることもあります。
 治療は、決定した性に合わせて、性腺を摘出したり、性器を形成します。
 性器の形成は、女性側に形成するほうが、男性側に形成するより容易です。したがって真性半陰陽の場合、女性を選択するほうがよいでしょう。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんいんよう【半陰陽 hermaphroditism】

同一人の性器に男女両性の要素が存在するものをいう。欧米語はギリシア神話ヘルマフロディトスに発する。俗には〈ふたなり〉とも呼ばれ,高等動物,主として哺乳類にもみられる。男女の性は,普通は受胎と同時に起こる性染色体組合せによって決定される。男性はXY,女性はXXの性染色体構成をもち,正常な胎児では性腺分化,すなわち男児では睾丸,女児では卵巣が発達する。睾丸からは,男性器もととなるウォルフ管発育を促進し,女性器のもととなるミュラー管の発育を抑制する男性ホルモンが分泌される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

半陰陽
はんいんよう
hermaphroditismintersex

性の分化発達の過程で生じた単体奇形の一種。性はいくつかの段階を経て分化してくるもので、その最初は、卵と精子が結合した瞬間に決まる性「染色体による性」chromosomal sexあるいは「遺伝的性」genetic sexであり、ついで受精卵が卵分割をおこし、各種の臓器を形成していくが、その一つとして性腺(せん)も形成される。その段階の性が「性腺による性」gonadal sexである。続いて内性器および外性器系が性染色体や性腺と一致した方向に分化して個体の性が完成する。この性が「内性器の性」ductal sexおよび「外性器の性」genital sexである。半陰陽は、このような一連の性の分化発達過程のうち「性腺の性」の段階以降にみられる異常で、次のように分けられる。
(1)真性半陰陽 精巣(睾丸(こうがん))と卵巣の両方の組織を有する場合をいい、精巣と卵巣が別々に存在するものと、一つの性腺内に両方の組織が共存するもの(卵巣精巣ovotestis)とがある。性染色体はXX/46がもっとも多く、ついでXY/46が多い。またXY/XXのモザイクも認められるが少ない。Y染色体が存在しないのに精巣が発生するのはY染色体上に存在する精巣決定因子(TDF)が他の染色体上に転座しているためである。外性器には尿道下裂があり、男女の区別が困難なことが多い。また内性器系では、腟(ちつ)や子宮が存在する。
 この真性半陰陽に対して仮性半陰陽があり、男性半陰陽と女性半陰陽に分けられる。
(2)男性半陰陽 性染色体構成XY/46で性腺も両側精巣であるが、内・外性器系が女性型へ偏向しているもので、その典型が精巣性女性化症である。男性半陰陽は、男性化障害とミュラー管退行障害に大別されており、男性化障害はさらにテストステロン生合成異常によるものと、テストステロン発現異常によるものに分類される。
(3)女性半陰陽 性染色体、性腺、内性器は女性型であるが、外性器が男性化を示すもので、その多くは副腎(ふくじん)皮質における先天性酵素欠損による副腎過形成(副腎性器症候群)である。このほか、母体から男性ホルモン様作用を受けておこるものもある。この場合は非進行性である。
(4)混合型性腺形成不全症 性腺が一側は索状性腺で、他側が精巣であり、性染色体構成は基本的にはXO/45とXY/46のモザイクを示す。外性器は男女いずれとも識別しにくいことが多く、内性器では子宮が存在する。この半陰陽の索状性腺あるいは精巣から腫瘍(しゅよう)の発生する率が高い。
 半陰陽の治療は、それぞれのタイプによって異なるが、性を決定する場合には、どちらの性でどのくらい養育されてきたか、形成手術の可能性、本人の希望、家族の希望などを十分に考慮して決定しなければならない。[白井將文]

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世界大百科事典内の半陰陽の言及

【雌雄同体】より

…植物では雌雄同株という。この雌雄同体現象hermaphroditismは下等な種に例が多くみられ,雌雄異体現象gonochorismより原始的な型だと考えられる。ミミズやマイマイは機能的な卵巣と精巣がほぼ同時に成熟するが,これを常時雌雄同体現象という。…

【性転換】より

…これを性転換と呼び,その手術を性転換手術という。本手術は肉体的な性の異常である半陰陽と,精神的な性の異常である性転換願望者(トランスセクシュアルtranssexual)が対象として考えられる。半陰陽には真性半陰陽と仮性半陰陽があるが,前者では睾丸あるいは卵巣を摘出し外陰部を形成する手術を行う。…

【毒】より

…各器官が形成され発育期に入った段階でも,胎児に対する薬物の危険は存在する。たとえば性ホルモン分泌の異常が薬物により母体に起こると,胎児の性腺発達が障害されて半陰陽が現れたりすることがあるが,このような影響は器官形成期を過ぎた時期に薬物が母体と接触した場合に現れる。この時期の影響としては,胎児の外形に必ずしも変化は認められないが,出生後の機能異常として検出される障害の発生をみることがある。…

【フェミニティテスト】より

…このため,大部分の競技は男女別に行われる。ところが,性分化の過程に異常が生じて,男性半陰陽となった人が,女性として競技を行うと,優れた選手となることがある。このような特殊な例を除外するために,スポーツ界では,女子選手に対してフェミニティテストを実施するようになり,オリンピックでは1968年のグルノーブル冬季大会で初めて行われた。…

※「半陰陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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