出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
通常はピルといわれる.ピルとは単に錠剤という意味であるが,今日では錠剤化された経口避妊薬をさす.ピル1錠中には,女性の卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン,発情ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)様作用を有するプロゲストーゲンの2種類のホルモンが含まれている.エストロゲン含量が50 μg 未満のものを低用量ピルという.1日1錠を21日間飲み,7日間飲むのをやめるという28日間サイクルの服用を繰り返す.ピル中のホルモンによって,脳は現在妊娠中であると錯覚し,下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されなくなり,排卵が抑制されるために妊娠しなくなる.理にかなった確実な避妊法であるが,まれに副作用もみられる.エストロゲンおよびプロゲストーゲンはいずれも総称で,天然分子と化学合成品を含むが,ピルとしては,代謝されにくく血中濃度を長期に維持しやすい合成品(構造が天然のものと少し異なる)が使われる.[別用語参照]下垂体前葉ホルモン
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…体外からプロゲステロンを投与すると,子宮内膜の間質の脱落膜の変化が妊娠初期像と似てきて,投与を続けると次の月経が発来しない。経口避妊薬(ピル)はこの原理をもとにつくられたものである。エストロゲンプロゲステロン【大森 義仁】。…
…経口避妊薬oral contraceptiveともいう。女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン),黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ薬理作用を有する2種類の合成ステロイドホルモンを含んだ錠剤。…
※「経口避妊薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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