経口避妊薬(読み)けいこうひにんやく(英語表記)oral contraceptive

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

経口避妊薬
けいこうひにんやく
oral contraceptive

妊娠中は,胎盤から分泌される女性ホルモンによって間脳,下垂体機能が抑制され,排卵が起らなくなる。この事実に基づいて開発された避妊法である。通常,卵胞ホルモンと合成ゲスターゲン (黄体ホルモン作用をもつ) の合剤──ピル pillと俗称されている──を月経開始後5日目から3週間,毎日1錠ずつ内服する。その後,2~3日目で性器出血が起るので,その日から5日目に服薬を再開する。これを忘れないかぎり妊娠することはない。卵胞ホルモンによって血栓症,高血圧,心筋梗塞を起す可能性が論じられているが,妊娠を確実に防ぎうるという利点が,副作用をもつという欠点にまさるとして,世界各国の政府に承認されており,最も広く用いられている避妊法である。日本では,1999年副作用を減らすためにホルモンの量を極力抑えた低用量ピルにかぎり,使用が認可された。

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百科事典マイペディアの解説

経口避妊薬【けいこうひにんやく】

避妊薬のうち,精子に対するものでなく,卵子の排出を抑止するために内服して用いるもの。1959年,アメリカのG.ピンカスらにより研究開発された。主剤は卵巣ホルモン様物質で,多くは合成薬を錠剤としたものである。利用するには医師の処方が必要。ピルpillともいわれ,アメリカ市場には1960年代に登場し,〈避妊の革命〉ともいわれた。以後最も簡便な避妊法として世界的に普及したが,日本では厚生省の許可が下りず,1999年になってようやく市販された。→低用量ピル
→関連項目緊急避難避妊法腟内リング

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大辞林 第三版の解説

けいこうひにんやく【経口避妊薬】

婦人用の内服避妊薬。ホルモン剤で、主として排卵を抑制して避妊の目的を達する。ピル。

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世界大百科事典内の経口避妊薬の言及

【女性ホルモン】より

…体外からプロゲステロンを投与すると,子宮内膜の間質の脱落膜の変化が妊娠初期像と似てきて,投与を続けると次の月経が発来しない。経口避妊薬(ピル)はこの原理をもとにつくられたものである。エストロゲンプロゲステロン【大森 義仁】。…

【ピル】より

…経口避妊薬oral contraceptiveともいう。女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン),黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ薬理作用を有する2種類の合成ステロイドホルモンを含んだ錠剤。…

※「経口避妊薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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