焼き餅(読み)やきもち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼き餅」の意味・わかりやすい解説

焼き餅
やきもち

火であぶり焼いた餅の総称。多くは糯米(もちごめ)粉、粳(うるち)米粉をこねて小豆餡(あずきあん)をくるみ焼いたものをいうが、1684年(貞享1)成立の『雍州府志(ようしゅうふし)』には、銀鐔(ぎんつば)焼きをも焼き餅といったことが記されている。また群馬県では小麦粉、そば粉をこねて焼いたものを焼き餅という。1697年(元禄10)刊の『本朝食鑑』には、「焼餅なるものあり。煮小豆泥をもって餡となし、平団にしてこれを包み、釜(かま)上にこれを焼き花模様を印す。これ上饌(せん)にあらず」とあるが、餡入りの焼き餅はその形状から「うずら焼き」ともよばれた。名物の焼き餅では、京都・今宮神社境内にある一和(一文字屋和輔)と、かざり屋のあぶり餅(白みそ、黒糖を溶いたたれをつける)、上賀茂(かみがも)神社境内の焼き餅(あおい餅ともいう)、徳島市内眉山(びざん)の山裾(やますそ)にある瀬戸久(せときゅう)の滝の焼き餅などが知られている。

[沢 史生

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