雍州府志(読み)ようしゅうふし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

雍州府志
ようしゅうふし

山城国 (京都府) の地理,沿革,寺社,風俗,産物,古跡陵墓について記した地誌。 10巻 10冊。儒医黒川道祐撰。天和2 (1682) 年成立。貞享1 (84) 年の林信篤人見竹洞の序をつけて,同3年自費出版。道祐は完成後も出版まで常に加筆訂正を行い,このため版面が不体裁,ふぞろいで,版木屋を苦しめた。『山城名跡志』 (白慧。 1711) ,『山城名城志』 (大島武好。 11) ,『山城志』 (関祖衡。 36) などに比べ,当時の商業や産業,生活について触れた土産門に特色がある。

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百科事典マイペディアの解説

雍州府志【ようしゅうふし】

江戸時代に刊行された山城国最初の総合的地誌。10巻。黒川道祐(くろかわどうゆう)著。1684年の成立。山城国を中国の雍州に擬して書名とし,建置沿革を記した後,形勝・郡名・城地・風俗・山川・神社・寺院・土産・古蹟・陵墓に分け,漢文で記述する。記述は詳細で,現在も資料的価値は高い。《続々群書類従》《新修京都叢書》所収。

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世界大百科事典 第2版の解説

ようしゅうふし【雍州府志】

江戸時代に刊行された山城国に関する最初の総合的地誌。著者は黒川道祐。全10巻で,自序は1682年(天和2)と推定されるが,第10巻の刊年は86年(貞享3)。《大明一統志》にならい,京都の所在する山城国を中国の雍州に擬し,まず山城の地理,風土を概説し,次に神社門,寺院門,土産門,古迹門,陵墓門に分け,各部門ごとに山城8郡を順次詳説。とくに特産物や商工業を記した土産門は重要。【鎌田 道隆

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

雍州府志
ようしゅうふし

山城(やましろ)国(京都府中・南部)の地誌。全10巻。1684年(貞享1)成立、86年刊。雍州は古代中国の首都であった洛陽(らくよう)の存する州名で、日本の京都に対して山城国をそれに擬して呼称したもの。著者は黒川道祐(どうゆう)。編輯(へんしゅう)の体裁を『大明(だいみん)一統志』に倣い、漢文を用い記述は詳細である。内容の順序は、山城国設置の由来から形勝、郡名、城地、風俗、山川、神社、寺院、土産、古跡、陵墓の10部門に分け、とくに土産の部はもっとも詳しく同国の特産物を尽くし、経済資料として優れている。『新修京都叢書(そうしょ)』第10巻、『続々群書類従』八に所収。道祐は安芸(あき)の人、林道春(どうしゅん)に学び古今に博通し、儒医として安芸藩に仕えた。後年京都に住し、1691年(元禄4)に没した。[平井良朋]

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