焼走り溶岩流(読み)やけばしりようがんりゆう

日本歴史地名大系 「焼走り溶岩流」の解説

焼走り溶岩流
やけばしりようがんりゆう

[現在地名]西根町平笠 上坊

岩手山東腹、標高九七〇メートルにある焼走り火山が、享保四年(一七一九)一月に噴火し、溶岩が東北東斜面を流走してできたもので、総延長約二・八キロ、火口から下方扇状に広がる。多孔質の塊状岩石で、虎の斑紋のようにみられるところから虎形とらがたと別称されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の焼走り溶岩流の言及

【岩手山】より

…岩手山の頂上付近は新旧火山の相違や高山植物の種類,その発生状態などが区域によって異なることがよく観察され,岩手山高山植物帯として天然記念物に指定されている。 1719年(享保4)には岩手山の北東斜面,標高1200m付近の中腹で噴火が起こり,ここから流出した溶岩流は北東麓の三森山まで約3.5km流下し,現在は焼走(やけばし)り溶岩流として特別天然記念物に指定されている。岩手山は十和田八幡平国立公園の南部を占め,網張,滝ノ上,松川などの温泉に加え,多数の湖沼,湿原,渓谷などがあるため年々観光客が増加している。…

【西根[町]】より

…農業が基幹産業で,平地では米作,山麓部では酪農,畜産が行われ,町営の牧野,畜産団地もつくられている。1719年(享保4)の岩手山噴火によって流れ出した焼走り溶岩流(特天)は長さ3kmに及び,荒涼とした景観を呈する。東北自動車道,JR花輪線が通じ,大更(おおぶけ)は八幡平(はちまんたい)登山の基地になっている。…

※「焼走り溶岩流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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