最新 地学事典 「熱活性化過程」の解説
ねつかっせいかかてい
熱活性化過程
thermally activated process
ある平衡状態から別の平衡状態に変化する際に,エネルギー障壁Eを熱的に乗り越えることが必要となる物理化学過程。その進行速度kはアレニウスの式k=A exp(−E/RT)に従い,温度の上昇とともに急激に大きくなる。ここでAは頻度因子,Rは気体定数,Eは活性化エネルギーまたは活性化エンタルピー。アレニウスの式は化学反応が活性分子と呼ばれる中間生成物を経て最終生成物になるという洞察から得られたが,のちに絶対反応速度論あるいは遷移状態理論と呼ばれる統計熱力学理論により定式化され,活性分子は活性錯体(活性錯合体)または遷移状態として一般化された。熱活性化過程は溶液反応や気体反応にとどまらず,固体の相転移や結晶成長,拡散や粘性流動のような輸送現象に広く認められる。固体結晶における空孔拡散や転位の運動を素過程とする高温クリープも熱活性化過程である。
執筆者:清水 以知子
参照項目:活性化エンタルピー
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

