化学辞典 第2版 「頻度因子」の解説
頻度因子
ヒンドインシ
frequency factor
反応速度定数kをアレニウス式により,
と表示したときの定数Aをさす.衝突説では,Aは単位時間当たりの反応分子間の衝突回数を表す因子にあたるので,頻度因子の名がある.活性錯体理論によれば,定容反応ではAは透過係数κ,ボルツマン定数k,プランク定数h,活性化エントロピーΔ Sの関数として熱力学的に,
で表される([別用語参照]絶対反応速度論,遷移状態理論).Aの値は,普通,
kT/h ≒ 1013 s-1
程度の反応が多いが,並進や回転の自由度が制限されるような活性錯体を経由する反応では 1013 s-1 より小さくなり,逆に,一部の高速反応ではいちじるしく大きな値をとることが知られている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報