改訂新版 世界大百科事典 「燃料消費率」の意味・わかりやすい解説
燃料消費率 (ねんりょうしょうひりつ)
specific fuel consumption
燃費ともいう。内燃機関などの原動機において,発生する機械エネルギーに対する消費燃料の割合をいう。一般にg/kWhという単位を用いて表す。燃料消費率は熱効率と反比例の関係にあり,この値が小さいほど熱効率は高いことになる。石油系の燃料の場合熱効率40%は,燃料消費率約200g/kWhに対応する。発電機が運転される場合には,発電機の電気出力(kW)に対して上記の燃料消費率を計算することもある。また内燃機関で図示燃料消費率というのは,その図示出力(kW)に対して算出したもので,軸出力(正味出力)に対して算出した燃料消費率をとくに正味燃料消費率と呼び区別することもある。
原動機に限らず,自動車などの走行距離に対する燃料消費の割合も燃費という。この場合は,例えば自動車が100km走行するのに何lの燃料を要するか(単位,l/100km)といった表し方もあるが,1lの燃料で自動車が走れる距離(単位,km)を用いるのが一般である。この値の大きな自動車が〈燃費のよいくるま〉ということになる。なお燃費は走行パターンによって大きく異なる。
執筆者:酒井 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報