燗徳利(読み)カンドクリ

デジタル大辞泉 「燗徳利」の意味・読み・例文・類語

かん‐どくり【×燗徳利】

酒のをする徳利。燗どっくり。

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精選版 日本国語大辞典 「燗徳利」の意味・読み・例文・類語

かん‐どくり【燗徳利】

  1. 〘 名詞 〙 酒の燗をする時に用いる徳利。燗壺(かんつぼ)。かんどっくり。
    1. [初出の実例]「そばにある燗徳利(カンドクリ)をとり、湯呑へなみなみとつぐ」(出典人情本春色梅児誉美(1832‐33)初)

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世界大百科事典(旧版)内の燗徳利の言及

【徳利】より

…《毛吹草》(1638)は備前の名産として伊部(いんべ)(備前焼)の徳利を挙げ,《和漢三才図会》(1712)は中国・朝鮮産のもの(必ずしも酒器ではない)が最も良く,伊部がそれにつぎ,伊万里(いまり)もまた良いとしている。一般的なものは,1~2合入りの燗(かん)徳利と,1升あるいは5合入りの貧乏徳利で,前者は猪口(ちよこ)との組合せで独酌や内輪の小宴などに,後者は小買いをする客に対する酒屋の貸し容器として利用された。《守貞漫稿》が〈江戸近年式正ノミ銚子ヲ用ヒ,略ニハ燗徳利ヲ用フ〉といっているように,燗徳利と猪口の組合せが普及したことは,日本人の飲酒行動が銚子,木杯,金銀杯などを用いた酒盛りの社会的・儀礼的な束縛を脱し,純粋に酒を楽しむ自由を獲得したことを示している。…

【酒器】より

…徳利が普及したのは日本の陶業が発展してからのことで,備前,瀬戸,丹波などで大小さまざまなものが作られた。一般的なものは,1~2合(1合は約0.18l)用の燗(かん)徳利と,1升(約1.8l)入り,5合入りなどの貧乏徳利で,前者は猪口(ちよこ)と組み合わせて独酌やうちわの小宴に,後者は小買いをする客に対する酒屋の貸容器として利用された。燗徳利は湯に入れて間接的に酒を温めるもので,それをさらに簡便にしたのが注ぎ口と把手をつけた金属製の〈ちろり〉である。…

※「燗徳利」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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