片生(読み)かたなり

精選版 日本国語大辞典 「片生」の意味・読み・例文・類語

かた‐なり【片生】

〘名〙 (形動)
① 体の発育がまだ、十分でないこと。未熟。かたおい。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「姫宮も起きあがり給へるを、これはまだ小さくかたなりにて」
技能などが未熟なこと、不完全なこと。
源氏(1001‐14頃)竹河「みやす所の御琴の音、まだかたなりなる所ありしを」

かた‐おい ‥おひ【片生】

〘名〙 (形動) (「かた」は不完全の意) じゅうぶんに成長していないこと。未成熟。形の整わないこと。また、そのさま。かたなり。
万葉(8C後)九・一八〇九「葦屋菟原処女(うなひをとめ)の 八年児の 片生(かたおひ)の時ゆ 小放髪(をばなり)に 髪たくまでに」

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