デジタル大辞泉 「牛の角文字」の意味・読み・例文・類語 うしのつの‐もじ【牛の角文字】 《形が牛の角に似ているところから》平仮名の「い」の字。一説に「ひ」の字とも。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛の角文字」の意味・わかりやすい解説 牛の角文字うしのつのもじ 平仮名の「い」の字のこと。その字体が牛の角に似ているところによる。『徒然草(つれづれぐさ)』62段にみえる「ふたつもじ牛の角もじすぐなもじゆがみもじとぞ君は覚ゆる」の歌に由来する、判じ物の文字遊戯でもある。「ふたつもじ」は「こ」の字をいい、「すぐなもじ」は「し」の字をいい、牛の角文字「い」を挟んで「こいし」(恋し)の意となる。『徒然草』の例は「ひ」の字をいうとの説もあるが、江戸時代以降は、手習いの「いろは」文字の筆頭の「い」の字をあてるか、「恋し」の洒落(しゃれ)として使われている。[棚橋正博] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例