朝日日本歴史人物事典 「牧墨僊」の解説
牧墨僊
生年:安永4(1775)
江戸後期の浮世絵師,銅版画家。知行150石の名古屋藩士。名は信盈,通称新次郎,のち登,助右(左)衛門。歌政,北僊,北亭,月光亭主人など多くの号を持つ。狂歌号は竹風庵。寛政(1789~1801)後期から文化(1804~18)初め,江戸詰の折,喜多川歌麿に入門,歌政を名乗り狂歌本の挿絵や摺物を手がける。のち文化9年,名古屋を訪れた北斎の門人となった。木版画とともに,早くから銅版画も自画自刻し,細密画に長じた。代表作に医書『瘍科精選図解』(1820)の挿絵がある。同時期に肉筆画を多く残した月斎峨眉丸と同一人という説もある。
(浅野秀剛)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報