物清し(読み)モノキヨシ

デジタル大辞泉 「物清し」の意味・読み・例文・類語

もの‐きよ・し【物清し】

[形ク]なんとなくきれいである。さっぱりしている。また、潔白である。
「―・き御なからひなり」〈栄花初花

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物清し」の意味・読み・例文・類語

もの‐きよ・し【物清】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「もの」は接頭語 )
  2. 何となくきれいである。こざっぱりしている。
    1. [初出の実例]「をかしく物きよくいひつる人かな」(出典:落窪物語(10C後)一)
  3. 清浄である。清純である。潔白である。
    1. [初出の実例]「御前なる人々『ましてけふはいと物きよくてくらさせ給ぬ』と聞ゆれば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)
  4. 時にあってすぐれている。身分などが、相当なものである。かなりな身分である。
    1. [初出の実例]「帯刀ども、いとものきよき人の子どもをなさせ給ひつ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)ゆふしで)

物清しの派生語

ものきよ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例