物覚ゆ(読み)モノオボユ

デジタル大辞泉 「物覚ゆ」の意味・読み・例文・類語

もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】

[動ヤ下二]
意識がしっかりしている。正気である。
「―・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉
物心がつく。
「―・えてのち、さることをこそまだ見侍らね」〈大鏡・道長上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物覚ゆ」の意味・読み・例文・類語

もの【物】 覚(おぼ)

物事を識別することができる。心がたしかである。正気である。
蜻蛉(974頃)上「ものおぼえずなりて、後のことどもはおぼえずなりぬ」
増鏡(1368‐76頃)一七「来し方行くさきくれて、ものおぼゆる人もなし」
② 物心がつく。
※大鏡(12C前)五「物おぼえてのち、さることをこそまだみ侍らね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android