物覚ゆ(読み)モノオボユ

デジタル大辞泉 「物覚ゆ」の意味・読み・例文・類語

もの‐おぼ・ゆ【物覚ゆ】

[動ヤ下二]
意識がしっかりしている。正気である。
「―・えずなりて、またいみじう泣かるれば」〈かげろふ・上〉
物心がつく。
「―・えてのち、さることをこそまだ見侍らね」〈大鏡・道長上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物覚ゆ」の意味・読み・例文・類語

もの【物】 覚(おぼ)

  1. 物事を識別することができる。心がたしかである。正気である。
    1. [初出の実例]「ものおぼえずなりて、後のことどもはおぼえずなりぬ」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「来し方行くさきくれて、ものおぼゆる人もなし」(出典:増鏡(1368‐76頃)一七)
  2. 物心がつく。
    1. [初出の実例]「物おぼえてのち、さることをこそまだみ侍らね」(出典:大鏡(12C前)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android