犂耕(読み)りこう(かう)(英語表記)plow cultivation

普及版 字通 「犂耕」の読み・字形・画数・意味

【犂耕】りこう(かう)

すきで耕す。〔後漢書、王景伝〕是れより先、百姓牛を知らず。~景乃ち民を驅し、廢を修し、ふるに犂を用(もつ)てす。

字通「犂」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「犂耕」の意味・わかりやすい解説

犂耕
りこう
plow cultivation

畜力あるいは機械動力により (すき) を牽曳して行う農耕方法。耨耕 (どうこう) よりもさらに高次な農耕形態。極寒地域を除くユーラシア大陸全土,インドネシアおよび北アフリカ一帯にわたって広く行われる。前 2500年頃のナイル河畔またはユーフラテス河畔に始るといわれ,初めは人力によるものであった。それが牛,馬などの畜力に代るとともに犂の改良も進められ,これによって農業規模の拡大,生産の向上がもたらされた。現在は,西アジアなどの農村地域では畜力によるものもみられるが,世界の大勢は機械動力を使用するものに移行しており,日本でも 1960年代からは機械動力によるものが普通となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の犂耕の言及

【ウマ(馬)】より

…【正田 陽一】【本好 茂一】
〔人類と馬〕
家畜と人類との間には,古来その種類ごとに異なる関係が見られる。例えば,羊,ヤギは,たかだか中東で播種(はしゆ)後に群れを追い込んで覆土する以外,労働家畜としての価値は見いだされなかったのに対し,牛馬は犂耕(りこう),牽引,運搬などに役だった。しかし,牛馬が共通の役割を果たしえたといっても,共通性はそこまでである。…

【農具】より

…このように西アフリカのミレット農耕はすべての作業が人力によってなされるのを特色とするが,北方の地域では近年犂の導入もみられるようになった。 デカン高原のミレット農耕では,整地は無床ないし短床のインド犂による犂耕(りこう)と,角材の横木の下に長い木あるいは鉄の歯をとりつけた耙(まぐわ)(熊手耙)による耙耕(はこう)とを組み合わせて行われる。犂,耙ともに2頭の雄牛でひく軛(くびき)にまっすぐな轅(ながえ)で接続されて牽引(けんいん)される。…

※「犂耕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android