普及版 字通 「猗」の読み・字形・画数・意味
猗
11画
[字訓] ああ・うつくしい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は奇(き)。奇に倚・椅(い)の声がある。〔説文〕十上に「犬(かいけん)なり」とあり、去勢した犬とする。牛に・、馬に、羊に(い)といい、家畜を去勢することがあるが、犬を去勢することもあったのであろう。ただその義の用例を見ず、猗は〔詩〕に「ああ」という感動詞に用いる。
[訓義]
1. ああ。
2. 猗儺のように、うつくしい、しなやかの意に用いる。
3. 依・倚と通用し、よる、かたよる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕猗 ヨシ・アヤシ・ウルハシ・サカン・アヤシ・ナガシ・ヨリカカル・カタマカル/猗々 ―トウルハシ・―トテレリ/猗歟 ア
[声系]
は猗声。〔詩、魏風、伐檀〕「河水くして、且つ猗」は水の細文、美しく波立つことをいう。〔経典釈文〕にまた「」に作る。
[語系]
猗那は阿那・猗儺、猗靡は倚靡ともしるし、みな双声・畳韻の形況の語である。
[熟語]
猗猗▶・猗移▶・猗偉▶・猗萎▶・猗▶・猗違▶・猗嗟▶・猗那▶・猗儺▶・猗靡▶・猗歟▶・猗与▶
[下接語]
愛猗・鬱猗・陶猗・猗
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報