改訂新版 世界大百科事典 「猪飼」の意味・わかりやすい解説 猪飼 (いかい) 伊勢国の地名。現在は三重県桑名市。肱江(ひじえ)川の北岸に位置。力尾(ちからお),北猪飼とともに猪飼三ヵ村と呼ばれたこともある。近隣に《延喜式》神名帳の名神大社多度神社および同神宮寺をもち,その神領地として祭祀等にかかわった。1794年(寛政6)の《多度神大祭御神事規式簿》によれば,5月5日の大祭に際し,猪飼三ヵ村を含む7ヵ村の氏子が往古の神領民として神事を勤仕している。近世は桑名藩領。現在,北猪飼に中世城郭跡が残るが,中世後期の当地方は室町幕府御料所を中心に国人層による北方一揆が成立しており,この猪飼城はそのメンバー小串氏の城郭と推定される。執筆者:西山 克 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報