猶予い(読み)いざよい

精選版 日本国語大辞典 「猶予い」の意味・読み・例文・類語

いざよいいざよひ【十六夜・猶予】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いざよう(猶予)」の連用形の名詞化。古くは「いさよい」 )
  2. [ 一 ] ( 猶予 ) ためらうこと。ぐずぐずすること。
    1. [初出の実例]「青嶺ろにたなびく雲の伊佐欲比(イサヨヒ)に物をそ思ふ年のこのころ」(出典万葉集(8C後)一四・三五一一)
  3. [ 二 ] ( 十六夜 )
    1. いざよい(十六夜)の月」の略。《 季語・秋 》
      1. [初出の実例]「人のもとにてあまた人々、ねまちの月をふしてみるかなといふもとをなむつけつるとききて、いさよひもたちまちにやはいづるとて」(出典:相模集(1061頃か))
    2. 陰暦十六日。また、その夜。
      1. [初出の実例]「かのいさよひのさやかならざりし秋の事など」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
    3. 一六歳のこと。
      1. [初出の実例]「すこしありて後十六夜(イザヨヒ)ばかりの丸㒵の美女」(出典:浮世草子・浮世栄花一代男(1693)一)
    4. 楊弓、大弓などで銭を賭けるとき、一六文の隠語。〔類聚名物考(1780頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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