類聚名物考(読み)ルイジュメイブツコウ

デジタル大辞泉 「類聚名物考」の意味・読み・例文・類語

るいじゅめいぶつこう〔ルイジユメイブツカウ〕【類聚名物考】

江戸中期の百科事典。342巻、標題18巻、目録1巻。山岡浚明まつあけ(明阿)著。成立年未詳。明治36~38年(1903~05)7冊の活版本として刊行

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「類聚名物考」の意味・わかりやすい解説

類聚名物考
るいじゅうめいぶつこう

江戸時代の類書(百科事典)。日本文物の類書中最初の、形式・内容ともに充実したものである。編者山岡浚明(まつあけ)。彼は博学で有名であったが、若いときから国書を広く読み、その抄をつくって整理していた。しかし、先輩の老人に、抄出しても急場に役だたぬから暗記せよと諭され、その教えに従って破り捨てたものの、記憶には限界と誤りがあると覚(さと)って、この編集にかかったという。そのため、基本的図書は破棄されたままに脱している。現存の342巻を精査すると、天文、時令、神祇(じんぎ)、地理など32類と抜き書きの部に分かたれている。各項目は総説と考証、文献からなり、その考証の行き届いて合理的なことは類をみない。後年屋代弘賢(やしろひろかた)は『古今要覧稿(ここんようらんこう)』を編集するにあたり、この書の形式内容をとったという。

[彌吉光長]

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