率分保(読み)りつぶんほ

日本歴史地名大系 「率分保」の解説

率分保
りつぶんほ

弘安大田文に「大沢三十七丁 率分保」とみえ、嘉元大田文には「大沢 三十七丁四段小」とあるだけで率分保の記載はない。大沢おおさわの比定地は現筑波町小沢おざわ(常陸誌料郡郷考)、同北条ほうじよう小字大沢の二説がある。後者は小田氏庶流北条氏の被官大沢氏が居館を構えた地で、近世には「大沢屋敷」「大沢稲荷」があったと伝えられる。

当保は大蔵省率分所に納物を送る義務を負った常陸国衙が、大沢郷を割いて設定したものと思われるが、成立時期は未詳。天福元年(一二三三)六月二八日と思われる紀景□書状(民経記天福元年四月巻裏文書)に「兼又率分所与常陸国相論事、□事不行候、何様可候哉、代々便□□(補保カ)被顛倒之時、於有限納物者、任(下カ)文可進済之由、乍請申、可申対捍(之カ)条、無其謂之旨申候歟」とあり、率分所と国衙が争っていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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