故事成語を知る辞典 「玉を抱いて罪あり」の解説 玉を抱いて罪あり 身分不相応のものを持ったり、不相応のことをしたりすると、とかく災いを招きやすいことのたとえ。 [使用例] 桐はあるが吾輩及び主人家族にとっては一文にもならない桐である。玉を抱いて罪ありと云う古語があるそうだが、これは桐を生はやして銭なしと云ってもしかるべきもので[夏目漱石*吾輩は猫である|1905~06] [由来] 「春秋左氏伝―桓かん公こう一〇年」に出て来ることばから。紀元前八世紀、春秋時代の中国でのこと。虞ぐという国の君主の弟は、貴重な宝玉と宝剣を持っていました。あるとき、兄の君主からその宝玉を譲ってほしいと言われた彼は、いったんは断りましたが、「匹ひっ夫ぷ罪無し、璧たまを懐いだきて其それ罪あり(身分の低い男には罪はないが、宝玉を手に入れると、そのことが自体が罪となる)」と思い直して、兄に宝玉を譲りました。ところが、兄は次に宝剣も欲しいと言い出したので、弟は身の危険を感じて反乱を起こし、兄を国外に追い出してしまったということです。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報 Sponserd by