現代自動車不正資金問題(読み)ひょんでじどうしゃふせいしきんもんだい

知恵蔵 「現代自動車不正資金問題」の解説

現代(ヒョンデ)自動車不正資金問題

韓国の自動車最大手・現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長が2006年4月28日、横領背任の疑いで検察当局に逮捕、5月16日起訴された事件。検察当局などによると、横領は約1000億ウォン(約120億円)の資金を不正に蓄えた疑い、また背任はグループに約4000億ウォン(約480億円)の損害を与えた疑い。これらの資金は、グループへの便宜獲得に向けた政官界へのロビー活動と、グループの経営権を息子の鄭義宣(チョン・ウィソン)起亜自動車社長に譲るために使われたとみられ、改めて韓国財閥の政官界とのつながりと世襲体質の根深さをみせつけた。鄭夢九被告はワンマン経営で起亜自動車の買収やグループの海外展開によって現代自動車を世界第5位を狙うまでに拡大させてきた。控訴審のソウル高裁は07年9月、懲役3年執行猶予5年の判決に加え、13年までに8400億ウォン(約1030億円)を供出して文化や環境保全の事業をするよう「社会奉仕命令」を出した。

(2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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