精選版 日本国語大辞典 「現無い」の意味・読み・例文・類語
うつつ‐な・い【現無】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]うつつな・し 〘 形容詞ク活用 〙 - ① 正気を失っているさま。ぼんやりと放心しているさま。
- ② しっかりした分別をもっていないさま。たわいない。
- [初出の実例]「心ばへなどもいかにぞや、うつつなくて、朝夕好む事とては、犬くい、田楽などをぞ愛しける」(出典:増鏡(1368‐76頃)一五)
- ③ 正気を失って愚かしいさま。
- [初出の実例]「うつつなきとは、あほうをいふなり」(出典:評判記・秘伝書(1655頃)かぶろ人あひの事)
- ④ 自分のことについて、満足できる状態でないさま、分別のたりないさまであると卑下していう。
- [初出の実例]「返々我身ふためき候て、うつつなく候」(出典:実隆公記‐永正四年(1507)九月紙背(女房消息))
現無いの派生語
うつつな‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙