璃寛茶(読み)りかんちゃ

精選版 日本国語大辞典 「璃寛茶」の意味・読み・例文・類語

りかん‐ちゃリクヮン‥【璃寛茶】

  1. 〘 名詞 〙 染色の名。江戸時代大坂の歌舞伎役者二世嵐吉三郎(俳名、璃寛)が好んで用いた茶色文化一八〇四‐一八)から天保一八三〇‐四四)の頃、流行
    1. [初出の実例]「妓寐くそをたれ・しけ紅みを李冠茶に仕る」(出典:雑俳・伊勢冠付(1772‐1817))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の璃寛茶の言及

【歌舞伎】より

…中期における人気若女方2世瀬川菊之丞の〈路考茶〉,立役の初世尾上菊五郎の〈梅幸茶〉は,江戸中期の通(つう)の美意識にかなう渋い中に色気の漂う色彩であり,春信や清長の描いた美人画の中によく登場している。時代が下り,3世中村歌右衛門の〈芝翫(しかん)茶〉,初世嵐璃寛の〈璃寛茶〉は,この上方の2名優のひいきが対抗して争ったことから,非常な流行を示した。ほかに,5世市川団十郎の〈升花色〉,5世岩井半四郎の好んだ〈岩井茶〉,5世松本幸四郎好みの〈高麗屋納戸(なんど)〉なども流行した。…

※「璃寛茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android