環境保護運動

山川 世界史小辞典 改訂新版 「環境保護運動」の解説

環境保護運動(かんきょうほごうんどう)

14~18世紀に森林資源を乱獲し,19世紀半ばに枯渇させたヨーロッパは,エネルギー源を石炭に転換し森林の再生を図った(人工林)のが環境保護の始まりである。1907年イギリスで法制化された「ナショナル・トラスト」(自然環境や史跡を国民拠出金で買い取り保護する)運動は,各地の郷土(景観)保護運動と結びつき浸透していった。1960~70年代にはゴアレーベン(西ドイツ)の原発設置反対運動,自動車排ガス規制を求める消費者運動(アメリカのR.ネーダーがNPO,NGOを組織),河川海洋汚染の責任追及(日本では68年のイタイイタイ病・水俣病公害病認定,71年の環境庁発足)など世界的動向となる。80年代のフロンガス,オゾン層破壊報告と異常気象は,97年京都議定書の温室効果ガス削減で危機回避合意となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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