日本歴史地名大系 「瓢ヶ岳」の解説 瓢ヶ岳ふくべがたけ 岐阜県:美濃市瓢ヶ岳美濃市・武儀(むぎ)郡と郡上(ぐじよう)郡の境界をなす山系の東部主峰で、標高一一六二・六メートル。福部ヶ岳・服部ヶ岳とも記す。同山系には高賀(こうか)山・今淵(いまぶち)ヶ岳がある。山頂付近より美濃市域の片知(かたぢ)川、郡上郡美並(みなみ)村域の粥(かゆ)川が発し、それぞれ板取(いたどり)川・長良川に流入。「新撰美濃志」は「福部嶽、(中略)高く嶮岨にして南北へ長く高賀嶽につらなり、人跡通路なしがたし。里民此山に雨を祈りてしるしあり」と記す。当山には妖魔退治伝説がある。伝説には霊亀二年(七一六)のものと、天暦年中(九四七―九五七)のものとの二つがあり、前者は服部ヶ岳頂上の大沢(おおさわ)の池に飛ぶことのできる鬼神が住み、村民を悩ませたので、藤原広光が八幡菩薩・虚空蔵菩薩の加護を得て退治したという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by