生垂(読み)なまたれ

精選版 日本国語大辞典 「生垂」の意味・読み・例文・類語

なま‐たれ【生垂】

〘名〙 (「なま」は接頭語)
① なまたれていること。男子が、めめしくて女性的であること。にやけていること。また、その人。近世、京坂地方で多く用いられた語。
滑稽本・無飽三才図会(1850)二「難間多連(ナマタレ)、一名イヤミ。這国の人物至って痴鈍(なまぬる)く、女を看て涎を流す病有」
② たわいがないこと。また、その人。芝居仲間で用いた語。
※南水漫遊拾遺(1820頃)四「なまたれ、たわいのない事」

なま‐た・れる【生垂】

〘自ラ下一〙 なまた・る 〘自ラ下二〙 (「なまだれる」とも。「なま」は接頭語) 言動がやさしすぎて、きりっとしまったところがない。めめしく女性的である。ぐずぐずして優柔不断である。にやける。近世、京坂地方で多く用いられた語。
浄瑠璃・忠義墳盟約大石(1797)六「皆其様になまたれるがうっとうしさ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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