生田郷(読み)いくたごう

日本歴史地名大系 「生田郷」の解説

生田郷
いくたごう

和名抄」所載の郷。同書高山寺本に「伊久多」、東急本に「以久多」の訓がある。「日本書紀」神功皇后摂政元年二月条に、皇后が韓国から凱旋した際託宣によって稚日女尊を「活田長峡いくたながお国」に祀ったとあり、同様の記事が「住吉大社神代記」にもみえる。「延喜式」神名帳に載る八部郡生田神社がこれにあたり、大同元年(八〇六)の牒(新抄格勅符抄)により封四四戸が充てられている。保安元年(一一二〇)頃のものとされる摂津国正税帳案(九条家冊子本中右記裏文書)などに生田神戸四四烟とみえる神戸に相当しよう。「日本書紀」天武天皇九年(六八〇)正月二〇日条によると、摂津国「活田村」で桃や李が実を付けたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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