ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
大阪府北西部と兵庫県南東部の旧国名。五畿内(きない)の一つ。東は山城(やましろ)国と河内(かわち)国、西は播磨(はりま)国、北は丹波(たんば)国に接し、南は和泉(いずみ)国に接するほか大阪湾に臨む。古くは河内国に含まれ、難波津(なにわのつ)、武庫泊(むこのとまり)などの港津(こうしん)に恵まれて津国(つのくに)ともよばれた。仁徳(にんとく)朝に難波高津宮(たかつのみや)、645年(大化1)に難波長柄豊碕宮(ながらとよさきのみや)、744年(天平16)に難波宮が造営され、三たび帝都の所在地となる。この間、国郡里制の整備とともに摂津職(しき)が置かれた。677年(天武天皇6)丹比公麻呂(たじひのきみまろ)が摂津職大夫(かみ)となったのが初見。793年(延暦12)難波宮の廃止とともに摂津職も廃止されて、正式に摂津国となる。国府所在地は不明な点が多いが、のち現在の大阪市天満(てんま)橋付近に移されたらしい。国分寺も明確でなく、天王寺区国分町の国分寺、東淀川(よどがわ)区柴島(くにじま)2丁目の法華寺、あるいは北区国分寺2丁目の国分寺を国分寺、国分尼寺の後身と伝える。『延喜式(えんぎしき)』には住吉(すみよし)、百済(くだら)、東生(ひんかしなり)(のち東成(ひがしなり))、西成(にしなり)、島上(しまのかみ)、島下(しまのしも)、豊島(としま)、能勢(のせ)、河辺(かわのへ)、有馬(ありま)、武庫、菟原(うはら)、八部(やたべ)の13郡がみえるが、百済郡は平安末期に実態を失って、住吉、東成両郡に併合されたと考えられる。平安時代には荘園(しょうえん)が乱立したが、前摂津国司源満仲(みつなか)は、在任中に豊島(てしま)郡多田(ただ)荘に本拠を構え、武士団を結成して清和(せいわ)源氏の勢力伸張の転機をつくり、平氏の全盛時には平清盛(きよもり)が大輪田(おおわだ)泊(神戸港)の経営に努め、武庫郡福原(神戸市兵庫区)に離宮を造営した。
鎌倉幕府成立後は地頭(じとう)の荘園侵犯が著しく、後鳥羽上皇寵愛(ごとばちょうあい)の白拍子(しらびょうし)亀菊の所領、長江(ながえ)・椋橋(くらはし)両荘を押領(おうりょう)した地頭の罷免問題から、上皇と幕府が対立して承久(じょうきゅう)の乱が起こったという。やがて幕府の統制が乱れると悪党が国内に横行、1315年(正和4)には兵庫関に乱入して守護使と一戦を交えている。南北朝時代には京都を制する軍事上の要地として争奪の的となり、豊島(てしま)河原、湊川(みなとがわ)、阿倍野(あべの)などで合戦が繰り返され、ついで室町時代には両細川(ほそかわ)の内乱に本願寺が介入して、戦国の様相を呈した。本願寺は1532年(天文1)大坂石山に寺基を移して寺内(じない)町を形成、防備を固めて石山本願寺城とよばれたが、織田信長との石山合戦で敗れた。信長没後大坂を手中にした豊臣(とよとみ)秀吉は、石山本願寺寺内町の跡地を広げて大坂城を築き城下町を建設。豊臣氏滅亡ののち、江戸幕府は大坂を直轄地とし、摂津国内に麻田、高槻(たかつき)、尼崎(あまがさき)、三田(さんだ)の四小藩を置いたほか、多くの大名・旗本に分封し、宮家、堂上(とうしょう)家、社寺などの所領と複雑な入組支配をさせて幕末に至る。
1871年(明治4)廃藩置県により、4藩はそれぞれ県になり、麻田県・高槻県は大阪府、尼崎県・三田県は兵庫県に編入された。なお96年には新郡区を編制し、東成・住吉両郡を合して東成郡、島上・島下の2郡をもって三島(みしま)郡、豊島・能勢両郡をあわせて豊能(とよの)郡とし、菟原・八部の2郡を武庫郡に編入して7郡とした。西成・東成・三島・豊能の4郡は大阪府、川辺(かわべ)・有馬・武庫3郡は兵庫県に属し、いま大阪府下に大阪・豊中・池田・箕面(みのお)・高槻・吹田(すいた)・茨木(いばらき)・摂津の8市と豊能・三島の2郡、兵庫県下に神戸・尼崎・西宮(にしのみや)・芦屋(あしや)・伊丹(いたみ)・宝塚・川西(かわにし)・三田の8市と川辺郡がある。
産物では、近世に酒と木綿と菜種(なたね)が著名で、伊丹・池田・西宮・灘(なだ)の酒、川崎嶋(しま)木綿・勝間(こつま)木綿、津村木綿織帯および足袋(たび)などは全国各地に出荷された。また池田の植木や炭、北摂(高槻・茨木市)の寒天、武庫の御影石(みかげいし)なども知られた。
[藤本 篤]
…現在の大阪市中央区三津寺町付近に比定される。摂津国という名はこの津に由来し,摂津職という官職によって管理された。遣唐使などの使節がここから出帆し,また外国からの使いもこの港に到来した。…
※「摂津国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
《「ノブレスオブリージュ」とも》身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞...
12/21 デジタル大辞泉を更新
12/21 デジタル大辞泉プラスを更新
12/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/28 デジタル大辞泉を更新
10/28 デジタル大辞泉プラスを更新
10/27 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新