田中育美(読み)タナカ イクミ

20世紀日本人名事典 「田中育美」の解説

田中 育美
タナカ イクミ

昭和期の童話作家



生年
昭和19(1944)年3月21日

没年
昭和61(1986)年4月26日

出身地
愛媛県

学歴〔年〕
香川大学教育学部卒

主な受賞名〔年〕
わたぼうし文学賞特別賞(第5回)〔昭和60年〕「おだんご山のゴンベーさん」

経歴
東京の出版社勤めを経て、昭和48年結婚。55年5月乳がんと診断され、1カ月後に手術。翌56年2月に再発し、全身9カ所の骨転移であと半年の命と知る。以来、身辺整理を兼ねて日記がわりに詩を書くようになり、3人の子供達のために童話づくりも始める。そうのちの一つ、「おだんご山のゴンベーさん」が、60年第5回わたぼうし文学賞で特別賞を受賞。59年に夫が蒸発後は、子供を宣教師養子に出し、ホスピスで闘病生活を送る。「最後の最後までぬるま湯の中で終わりたくない」とホスピスを仮退院し、61年1月「絣(きずな)、星の小守唄―5年5カ月をがん患者として生きて」を京都の糺書房から出版した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中育美」の解説

田中育美 たなか-いくみ

1944-1986 昭和時代後期の童話作家。
昭和19年3月21日生まれ。48年に結婚。55年乳がんを手術,翌年再発。余命半年と宣告されて,日記がわりに3児のために童話をかいた。60年「おだんご山のゴンベーさん」でわたぼうし文学賞特別賞。昭和61年4月26日死去。42歳。愛媛県出身。香川大卒。著作に「絆(きずな),星の子守唄」。
格言など】最後の最後までぬるま湯の中で終わりたくない(闘病生活をおくるホスピスを仮退院する際のことば)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android